ピルとは、経口避妊薬のことです。
ピル(経口避妊薬)は、女性の卵巣でつくられるホルモン(卵胞ホルモン・黄体ホルモン)が主成分で、これら女性ホルモンの作用を利用して、妊娠を防ぐ薬です。
避妊に使われるだけでなく、それに伴う副効果を目的としてピルを使う方が非常に増えています。
当院では、次の効能をもつピルの処方を行っています。
低用量ピルは月経に関係するほぼすべてのトラブルに対応します。
生理痛・月経前症候群・ニキビ・子宮内膜症・生理不順・避妊や身体の調子を整えます。
避妊に失敗してしまったときの緊急避妊薬です。
72時間以内の服用で約81%(日本)の避妊効果があります。
大切な日のために、生理日をずらせます。
旅行・試験・結婚式など
・月経痛が強い
・子宮筋腫や子宮内膜症がある
・月経が多い、重い、つらい(昼間でも夜用ナプキンが必要)
・月経周期が不安定
・月経前にめまい・頭痛・気分の落ちこみ・イライラ・むくみなどの症状がある
・月経前には、ニキビなど、肌の調子が悪くなる
・毛深いのが気になる
・旅行、仕事のスケジュールなどにより月経をずらしたい
・更年期前のホルモン低下が気になる
ピルは女性主体の避妊法として有名です。ピルに含まれる卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の2種類の女性ホルモンが脳下垂体に働きかけ、排卵を抑制します。ピルを服用して体外から女性ホルモンを取り入れると、脳が、すでに必要なホルモンが分泌されているものと勘違いして、卵巣にホルモン分泌の指令を出さなくなります。すると、卵巣は“うたたね”をした状態に。このため排卵が起こらなくなり、妊娠しないというわけです。
正しく服用すれば、99%以上の高い避妊効果があります。
お薬でコントロールするため、月経周期が規則正しくなります。また、医師の指導のもと、大切な日に重ならないように、生理周期をずらすことも可能です。海外旅行や結婚式に合わせて月経をずらしたいなど、一時的に月経周期を調整するときにもピルは役立ちます。予定している2~3ヵ月前にはご相談ください。
月経の量が少なくなるだけでなく、月経にともなう痛みも緩和します。また、月経期間も2~4日程度に短縮するため、貧血の治療にもつながります。
イライラ、不安感、腹痛、頭痛、乳房の痛み、食欲不振(過食)、だるさなど様々な月経前の不快な症状(月経前症候群:PMS)もやわらげます。
ニキビの原因になるのは、男性ホルモンの影響。ピルがホルモン量を調整することで、男性ホルモンが出過ぎないようになり、肌荒れやニキビ、多毛症に効果があります。特に、「大人のニキビ」には効果的です。
また、卵巣や子宮などに疾患が生じた場合、初期の症状としてホルモンバランスの乱れからニキビが発生することがあります。
ピルに含まれる黄体ホルモンが子宮内膜の増殖を抑制するため、子宮体がんにかかりにくくなります。また、排卵を抑えるため、卵巣がんや卵巣嚢腫などになりにくくなります。
その他、骨粗しょう症や子宮内膜症などの予防になると報告されています。
服用開始ごろには10人中1~2人の方に軽度の吐き気、頭痛など『つわり』のような症状が現れることがあります。ほとんどの方は数日のうちにこれらの症状が消失します。 また、不正出血や生理前のような胸の張りを訴える人もいますが、1~2ヶ月ほどで軽減していきます。特に異常というものではありません。
ホルモンの含有量が大幅に少なくなった低用量ピルでは、太ることはほとんどありません。確かに、以前までのピルはホルモン量が多く、食欲が増すなどの副作用がありました。ただし、低用量ピルを服用することで、体調や気分が安定するので、運動をしたり食事の量に気をつけましょう。
ご安心ください。もともと月経不順でない方であれば、ピルをやめてから3周期までにきちんと排卵されるようになり、妊娠可能な状態になります。ピルが胎児に影響を与えることもありません。ピルを不妊治療に使うこともあります。
すべての低用量ピルが避妊効果をもっていますが、それぞれ微妙な配合の違いにより、副作用や副効用の出方に差があります。「今まで飲んでいたものが合わなかったから…」と諦めず、あなたにとって最適なお薬を見つけましょう。
尚、健康状態によっては処方できない場合がありますのでご相談ください。
ピルの種類 | 説明 |
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トリキュラー28 | マイナートラブルとしての不正出血が少ない |
マーベロン28 | 男性ホルモン作用が少ない ニキビに対する効果はNo.1 服用初めに少しむくみやすい |
アンジュ28 | 不正出血が少ない |
「今日は危険日だけど成行きでつい・・・」
「コンドームを着けていたのに破れてしまって・・・」
「途中からコンドームを着けてくれたけどやっぱり不安なので・・・」
そんな時に、緊急避妊ピルがあります!
これはもともと、アメリカでレイプ被害にあった女性への対策でした。
・性行為後72時間以内の服用が必要です。(72時間以降であっても若干の効果があると考えられています。)
・緊急避妊薬は排卵を遅らせる働きと、着床を阻害する働きがあると考えられています。
・妊娠に至ってしまっても、緊急避妊薬によって胎児に奇形を誘発することはないとされています。
・緊急避妊薬(ノルレボ)の服用では吐き気、頭痛などの副作用はほとんど起こりません。
内容 | 料金(税込み) |
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問診 服用についての説明 緊急避妊ピル |
16,500円 |
+超音波診察(必要時) | 3,300円 |
+低用量ピル(1シート) | 3,300円 |
旅行やスポーツ、結婚式など…生理を避けたいときがあります。
そのようなとき、ピルを飲むことで生理日を移動させることができます。
ずらしたい生理予定日の1ヶ月前の生理が始まってから5日目までの間にピルを飲み始めます。
そして早めたい日まで飲み続けます。飲み終えてから2~3日でいつもより少ない量の生理がきます。
この方法では、生理を避けたい日にピルを飲む必要がありません。そのかわり早めに飲み始める必要があります。ずらしたい生理のひとつ前の生理がくる前に来てください。
また、低用量ピルを使用することもできます。この場合、通常使用する中用量ピルに比べてホルモン量が少なく、服用開始時の吐き気や頭痛などの症状が出にくくなります。
生理がきそうな日のおよそ5日前から飲み始め、生理を避けたい日まで1日1回飲みます。ピルを飲んでいる間は生理がきません。
そして、飲み終えてから2~3日で生理が来ます。移動させることができるのは長くても10日間程度です。
生理日を変えてしまったからといって、その後の生理周期が不安定になることはありません。もともと安定した生理周期の方でしたら、変更した生理日から通常の生理周期できちんと生理がきます。